はじめに
子供の「臍ヘルニア」と聞くと驚くかもしれませんが、実は新生児や乳幼児に比較的よく見られる状態です。この記事では、臍ヘルニアが何なのか、原因や症状、治療の必要性などを専門医の視点から詳しく解説します。心配な親御さんの疑問に答え、適切な対応方法をお伝えします。
1. 臍ヘルニアとは?
胎児の頃の臍はへその緒がつながっているため膨らんでいるのが一般的です。通常はこれがだんだんと凹んできますが、凹まずにおへそのあたりに腸の一部が突出して膨らむ状態のことを臍ヘルニアといいます。新生児や乳幼児に多く見られ、特にお腹に力が入ると目立ちます。一般的には自然治癒することが多く、心配はいりませんが、親御さんにとって気になる症状であることは確かです。
2. 臍ヘルニアの原因
臍ヘルニアの主な原因は、お腹の筋肉がまだ発達していないため、おへその周りの筋肉に隙間ができることです。この隙間から腸の一部が出てくることで、膨らみが見られます。一般的には、生まれて数週間から数ヶ月の間に自然に改善されることが多いです。
3. 臍ヘルニアの症状
臍ヘルニアの典型的な症状は、おへその周りの膨らみです。泣いたりお腹に力が入ると、臍のあたりがぽこっと膨れるのが特徴です。膨らみは指で押すと簡単に引っ込みますが、腫れや痛みがないか注意して観察することも重要です。
4. 臍ヘルニアの治療方法
まず臍ヘルニアで特に覚えておいてほしいことは、1歳までは自然に治る可能性があるということです。そのまま様子を見てもいいですし、気になるなら小児科あるいは小児外科に受診しましょう。脱出しないように綿球などで圧迫してもらえることもあります。
1歳を過ぎても改善しない場合や大きなヘルニアがある場合は、外科的な治療が考慮されることがあります。専門医による判断が必要なので、症状が続くようであれば医師に相談するのが良いでしょう。
手術を行う際には全身麻酔の手術が必要であり、また担当するのは小児外科であるため小児の麻酔に慣れていて、小児外科医のいる病院に紹介してもらうようにしましょう。
5. 臍ヘルニアはいつ治るのか
臍ヘルニアは、多くの場合、1歳になるまでに自然に治ります。しかし、一部の子供では2〜3歳まで持続することもあり、親御さんは長期的な視点で見守ることが大切です。早期に治療の決断をする必要はないため、まずは焦らず様子を見ることが勧められます。
まとめ:臍ヘルニアとの向き合い方
子供の臍ヘルニアは、ほとんどの場合自然に治る病気です。子供の成長とともに改善されるケースが多いので、定期的に観察しながら医師と相談して対応しましょう。心配な場合は、小児科や外科の専門医に診てもらいましょう。
子供の臍ヘルニアはよく起きる病気です。臍ヘルニアを見つけてもうちの子だけがおかしいなどと心配する必要なない病気です。また気になるとしても子供の行動を制限する必要もない病気ですので、過度に気にしないことも大事です。
詳しくはこちらもご覧ください 臍ヘルニア – 一般社団法人日本小児外科学会
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