男性育休の現状、利点と課題:これからの働き方と育児支援

社会課題

はじめに

少子化や働き方改革が進む中、「男性の育児休暇(育休)」の重要性が注目されています。しかし、現実には男性の育休取得率が低く、いまだに課題も多い状況です。本記事では、実際に育休を取得した私自身の体験日本における男性育休の現状や利点、そして今後の課題について解説します。男性が育休を取得することのメリットや、企業と社会の意識改革がもたらす影響についてもご紹介します。

男性育休の現状

男性育休の取得率

日本の男性育休取得率は、政府や企業の取り組みによって徐々にですが増加しています毎年積水ハウス男性育休白書」を発行しており、そこで年毎の動向がわかります。以下が2024年のデータですが、2019年から比較すると数倍に伸びています。特に取得日数は3日に満たなかったのが1ヶ月になったのは大きな進歩です。一方で取得率が3割に及ばないのも事実で、この背景には「育休を取りづらい職場の雰囲気」や「仕事への影響」などが挙げられます。

企業の取り組みと法改正

近年は育休の取得を促進する動きも広がっています。2021年には「育児・介護休業法」が改正され、企業は男性社員が育休を取りやすい環境を整える義務を負うようになりました。また、企業独自で育児休暇を積極的に推進するケースも増えており、大手企業では育休取得を奨励する制度が普及しつつあります。

男性が育休を取ることの利点

家族の絆を深める

男性の皆さんは育休を取るうえで一番大事なことは何だと思いますか?子供の世話ですか? ちろんそれも大切ですが、私の経験から言わせていただくと一番大事なのは           

奥さんの休憩時間(睡眠時間)

です。子供を出産した直後の女性は体力的にも精神的にも限界のところにあります。しかし授乳やおむつ替えは1日の中で頻繁に必要ですし、休まる時がありません。一方で授乳以外の育児については男性でもできるため、その部分をできるだけやり、奥さんを休ませてあげることが大事です。実際我が家では夜中は粉ミルクにすることで、交互に起きるようにした結果、睡眠時間を確保できました。またこのようにすることで育児に積極的に参加できますし、子供にも愛情がわきます。特に子供の表情で何をしたいかわかってくることが育児をしていることの成果だと思っています。

仕事への良い影響

子供は定期的にやらなければならない授乳やお風呂などのイベントの他、おむつ替え(実際にはミルクのときに替えることが多いですが)などの突発的なイベントもあります。時間を管理しながら突然のイベントにも対応する。これは仕事にいかせる経験となりますし、仕事の経験が活きます。

社会全体の育児参加意識の向上

男性が積極的に育児に関わることで、社会全体での「育児は母親だけの役割」という固定観念が解消され、男女平等な家庭生活が実現しやすくなります。

男性育休の課題

職場の風土

多くの男性が育休を取得しづらい理由として、「育休取得に対する職場の風土」が挙げられます。特に中小企業や伝統的な職場では、育休を取ることで周囲から「仕事に対する姿勢を疑われる」懸念があります。ただ最近では育休を取った同僚がいればその分の給与が出るなど、育休を取ることで取ってない人にもメリットがあるような工夫をしている企業も一部出てきています。

経済的負担

育休中の収入減少も課題の一つです。育休中は休職扱いになるため給付金の受け取りとなります。また育休中は社会保障費の支払いが免除されます。とはいえ給付金は6割程度となりますし、上限額が決まっているためもともと高給であれば収入が半分以下になる可能性もあります。男性が育休を取ることで家計の収入が一時的に減ることに不安を抱える家庭も少なくありません。現在の日本の制度では不十分であり、制度の早急な改善が求められるところです。

育休は取ることがゴールではない

よくネット上で育休を取るだけ取って何もしないという投稿を見かけます。そのような方はごく一部だと思いますが、育休は収入を減らすだけのメリットがないと取得する意味がありません。取得をするべきか、また取得する時期については夫婦でよく相談して決めるべきだと考えられます。

育休の実録

ここには実際に私が取得した際の育休の実際について書いておきます。

私は育休を出産予定日から3日後から取得する予定でした。これは妻の退院日に合わせたものです。実際には早く生まれたため、出産日から10日ほど経ってから育休が始まりました。

  一般に新生児は3時間ごとにミルクを飲むので、1日8回の授乳・ミルクやり・おむつ替えが基本となります。ここに追加のおむつ替えや入浴が入ってきます。さらには家事も分担してやっていく必要があります。

期間は1ヶ月強であったため、その間この生活をずっと続けていました。ただ育休のおかげで子供は早くから懐いてくれましたし、妻の睡眠時間が確保できていたおかげで昼間のほどほどに外出していました。男性が育休を取り、育児を実践することは間違いなく人生を豊かにします。

まとめ:男性育休の普及に向けて

男性育休の利点は多くありますが、現状ではまだ取得しにくい環境があるのも事実です。男性育休の普及には、企業側の制度改革と社会全体の意識改革が欠かせません。また、政府や企業がさらに支援を充実させ、男性が安心して育休を取得できるような仕組みづくりが求められます。男女共に育児とキャリアを両立できる社会を目指し、男性育休の意識を高めていきましょう。


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