実はすぐ治療できる?ピロリ菌と除菌療法【外科専門医が解説】

疑問を解決

はじめに

近年、ピロリ菌感染が多くの人々に影響を与えていますが、実は簡単に治療できることをご存じでしょうか?この記事では、ピロリ菌の基礎知識、症状、そして効果的な除菌療法について詳しく解説します。

ピロリ菌とは?

ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の粘膜に生息する細菌で、胃炎や潰瘍の原因となります。世界中で広く見られ、多くの人が感染しているとされています。

ピロリ菌への感染

ピロリ菌は主に乳幼児期に感染し、それ以降の感染は少ないことが研究で分かっています。さらに感染した菌を調べてみるとピロリ菌の株が親子で一緒のことが大半であり、親から感染している可能性が高いものでした。最近は水質の改善などにより親の感染が減っているため、子供感染も減少しています。

感染経路は以下のようなものとなります。

  • 口経路: 食品や水を通じて感染
  • 人から人へ: 唾液や接触を介して感染

ピロリ菌の症状

感染しても無症状の場合が多いですが、以下のような症状が現れることがあります。

  • 胃痛や不快感
  • 吐き気や嘔吐
  • 食欲不振

ピロリ菌感染の影響

ピロリ菌は様々な疾患の原因となることが知られており、特に胃癌の主な原因となっています。原因となる疾患は以下の通りです。

除菌療法とは?

ピロリ菌は、特定の抗生物質と胃酸抑制薬を組み合わせた治療法で除菌できます。

除菌療法の流れ

  1. 診断: 専門医による検査(血液検査、内視鏡など)
  2. 治療計画: 除菌療法の内容を決定
  3. 治療実施: 一般的には1~2週間の治療
  4. 再検査: 除菌が成功したか確認

診断は血液検査でピロリ菌の抗体を調べる方法のほか、息を吐いて調べる検査(尿素呼気試験)、便中のピロリ菌を調べる方法、内視鏡で直接胃の粘膜をつまんで調べる方法などがあります。

除菌のやり方

除菌治療として抗生剤2種類と胃酸抑制薬1種類を1週間内服します。これによって8割の人が除菌に成功します。残った2割の人は薬を変えてもう一度除菌を行います。最終的には9割以上の人が除菌できます。

副作用:内服中の下痢やアレルギーなど

除菌療法のメリット

  • 再発リスクの低減: 胃炎や潰瘍の予防
  • 全体的な健康改善: 胃腸の不調が改善されることが期待できる

まとめ

ピロリ菌は多くの人に感染しているものの、除菌療法によって簡単に治療可能です。早期発見と治療が重要ですので、気になる症状があれば専門医に相談することをおすすめします。

さらに詳しい情報はこちらを参照ください。https://www.jshr.jp/

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