はじめに
診察時や治療の際には様々な専門用語が飛び交います。しかしその意味をいちいち確認するのは大変な作業です。そこで用語集を用意しました。これを読んでもらえば多少医師との会話もしやすくなると思いますので参考にしてください。
検査分野
- CT Computed Tomography(コンピューター断層撮影)
- X線(放射線)を使って人体の輪切り映像を撮影する方法。脂肪や骨、血液、体内の空気などにおけるX線の吸収値の違いを利用して画像を作成する。
- 全身を調べる最も基本的な検査で、肺炎、脳出血、骨折など様々なことが調べられる。がんにおいては全身の広がりを見る際に頻用する。
- 造影CT
- 上記のCTを撮影する際に点滴で造影剤を注入しながら撮影する方法。造影剤が白く映ることによって血管の走行がより鮮明にわかるようになる。さらに血管から漏れているかどうかも判別できるため出血の評価も可能。一部のがん(肝細胞がん)などでは撮影の方法を工夫することで診断が可能となる。
- 造影剤はアレルギーが起きやすい薬剤のため、薬でアレルギーが出やすい人や喘息持ちの人が検査を受ける際には特に注意が必要。また腎臓が悪い人に使用するとさらに悪化させる危険性がある。
- MRI Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴画像法)
- 検査機器の内部で磁場を発生させ、体に電波を当てることで撮影していく方法。電波を当てた後の人体内の水分の動きで画像を作っていく。X線では映すことができないような石や小さな肝腫瘍、脊椎の評価などでよく使用する。
- 放射線の被ばくがないため、妊婦などでも安全に検査を実施できる。
- 一方で検査室内に磁場が発生しているため、体内に金属が入っていると撮影できない。さらにMRI内部は人一人がギリギリ入るくらい狭い空間であり、検査も15分~30分かかるため閉所恐怖症があると撮影が困難となる。
- PET-CT positron emission tomography-CT 陽電子放出断層撮影
- 薬剤を注入後に撮影するCT。薬剤としては18F-FDGや13N-アンモニアなどがあるが、一般にPET-CTと言ったらFDGを使用する撮影法のことを指す。
- FDGはブドウ糖に放射性物質を付けた作りとなっており、これを検査の1~2時間前に点滴で投与する。がんには正常な細胞よりも糖分を好む性質があり、FDGを投与後に撮影するとがんが光って映るようになる。そのため腹膜播種やリンパ節転移など通常のCTやMRIでは判別しにくい転移も判明することがある。
- 糖尿病の既往があったり、検査直前に食事をしていると体が高血糖状態となるため、検査精度が落ちる。
- 腫瘍マーカー
- 血液検査にて腫瘍の存在を確認するための検査。大腸がんや胃がんではCEA、CA19-9を測定することが多い。
- 体内にがんが存在すると腫瘍マーカーが上昇するため、再発を発見する目安などとして使用する。ただしがんが存在しても必ず上昇するわけではなく、腫瘍以外の原因でも上昇することがあるため、あくまで参考所見となる。また腫瘍ごとに上昇する腫瘍マーカーは異なるため、該当するマーカーを測定していないと腫瘍を発見することは困難である。
まずは一般的な画像検査、血液検査について解説しました。画像検査を受けるときのポイントは絶食時間を守ることです。これによって検査の結果は大きく変わります。
コメント