突然襲ってくる、あの痛み。一体なぜ？
お腹の痛み、誰しもが一度は経験する不快な症状ですよね。でも、その痛み、実は3つの種類に分けられるってご存知ですか？今回は、外科専門医が、お腹の痛みの原因と種類について詳しく解説します。
お腹の痛み、その種類とは？
お腹の痛みは、大きく分けて3つの種類に分類されます。
1. 内臓痛
臓器そのものに異常が起こることで生じる痛みです。胃潰瘍や腸炎など、消化器系の病気でよく見られます。痛みの位置によってどこが痛みの原因かある程度予測ができます。
痛みの部位と考えられる臓器
| みぞおち（心窩部）の痛み | 食道や胃、胆嚢、膵臓など |
| へそまわりの痛み | 小腸や一部の大腸（右側結腸） |
| 下腹部の痛み | 一部の大腸（左側結腸、直腸）や腎臓、膀胱など |
- 特徴: 鈍い痛みで、場所がぼんやりしていることが多いです。吐き気や食欲不振を伴うことも。
- 例: 胃がキリキリする、お腹がぐるぐる鳴る
2. 体性痛
臓器を包んでいるおなかの内側の膜（腹膜）が炎症を起こすことで生じる鋭い痛みです。原因として感染症や炎症が考えられます。腹膜炎の痛みはこの痛みです。
- 特徴: 鋭い痛みで、痛みを感じる場所がはっきりしていることが多い
- 例: 右下腹部の痛み（虫垂炎の場合）、みぞおちの痛み（胃十二指腸穿孔の場合）など
3. 放散痛
内臓の病気が原因で、原因の内臓から離れた場所に感じる痛みです。臓器からの痛みが脊髄神経痛覚神経伝導路に伝わることで生じます。
- 特徴: 原因の臓器から離れたところで痛みが発生する
- 例: 胆石症では右肩が痛む、心筋梗塞では左肩が痛む、など。
どの痛みが何の病気？見分けるポイントは？
お腹の痛みの種類を見分けるには、以下のポイントが役立ちます。
- 痛みの種類: 鋭い痛みか、鈍い痛みか。
- 痛む場所: お腹のどのあたりが痛いのか。痛い場所がはっきりわかるか。
- 伴う症状: 吐き気、下痢、発熱など、他にどんな症状があるか。
お腹の痛みが続くときは？
お腹の痛みが続く場合は、我慢せず医療機関を受診しましょう。特に、以下の症状がある場合はすぐに受診が必要です。
- 高熱がある
- 激しい痛みがある
- 嘔吐が続く
まとめ
お腹の痛みは、原因となる病気によって、痛みの種類や場所が異なります。 「最近、お腹が痛いな…」と感じたら、まずは自分の痛みを冷静に観察し、必要であれば医療機関を受診しましょう。
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